第55章
キム・ダミ & 青木美樹 Duo concert

2019.1.13(日)満員御礼
新春コンチェルティーナの銀座でちょっとクラシック第2弾は、世界的に注目されているヴァイオリニスト、キム・ダミさんをお招きしました。キム・ダミさんは韓国で生まれ、2011年宗次エンジェル国際ヴァイオリンコンクールに優勝したのを皮切りに、2012年に難関のハノーヴァー国際ヴァイオリンコンクール優勝、パガニーニ国際コンクール、エリザベート王妃国際コンクールなど数々のコンクールで目覚しい成績を残し、世界中の交響楽団や、クレーメル、イッサーリスといった世界的アーティストと共演を重ねている注目のヴァイオリニストです。今回名古屋で演奏会のため来日し、東京ではコンチェルティーナのみという貴重な演奏会です。
ピアノの青木美樹さんは東京生まれ。12歳で、ナショナル・フィルハーモニー・オーケストラとの ロンドン・フェスティバルホール共演でデビュー。渡米後インディアナ大学、イェール大学大学院卒業、ハンブルク音楽大学国家演奏家コースを首席で卒業。2011年にはドイツの名門レコード会社ヘンスラーと専属契約。昨年10月には4枚目のアルバム「東京物語」発売。一流演奏家のマスタークラス伴奏者を務め、世界各地で活躍されています。お二人はハノーバーコンクールの優勝記念コンサート共演以来の親友とのこと。
第1部 は 「オール シューベルト プログラム」まずは有名な アヴェ マリアからはじまりました。
続いてヴァイオリンとピアノのためのソナチネシューベルトは3つのソナチネを相次いで作曲しましたが、D385は短調の力強い第1楽章、美しいアンダンテ、メヌエット、哀愁を帯びたアレグレットの第4楽章から成り立ちます。
3曲目はヴァイオリンとピアノのためのデュオ・ソナタ D574 。伸びやかな雰囲気で始まり、ヴァイオリンとピアノの微妙な掛け合い、最後のコーダでは華々しく4重音を連続するなど、ヴァイオリン奏者の技術が問われる曲です。
一部のアンコールはタイスの瞑想曲。しっとりと美しい余韻を残して終了しました。
第2部 は「ファンタジーの世界」
シューベルト の歌曲集「白鳥の歌」から有名なセレナーデで始まりました。
第2曲 シューマン の幻想小曲集作品73 は、クラリネットとピアノのために作曲した小曲集で、ヴァイオリンやチェロでも演奏されます。それぞれ異なる性格を持つ3つの小品から成り立っています。柔らかな静かな情熱を秘めた第1曲、軽やかで生き生きとした第2曲、そして燃えるように情熱的な第3曲。
最後は、シューベルトに戻って、ヴァイオリンとピアノのための幻想曲D932。パガニーニにも賞賛されたボヘミアのヴァイオリストにスラヴィークによって初演され、ボヘミア風、もしくはハンガリー風の色彩を帯びながら、それらがシューベルトの歌謡的旋律とともに、作曲者自ら幻想曲と名付けた自由な構成の中にまとめられた長大な曲です。
ピアノのトレモロで始まり、そこにヴァイオリンが静かに浮かび、幻想的な雰囲気が醸し出され、ヴァイオリンの超絶技巧とピアノの目まぐるしい多音階で、お2人の息の合った演奏は圧巻でした。
アンコールにラフマニノフのヴォカリーズ、さらに冒頭で演奏したシューベルトのアヴェ・マリアを最後に聴かせていただき、大感動の中、DUOコンサートの幕を閉じました。
※青木美樹ピアノリサイタル
2019年5月31日17時開演 フィリアホールTEL045-982-9999


 Program
第1部 「オール シューベルト プログラム」
アヴェ マリア
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ
ヴァイオリンとピアノのためのデュオ・ソナタ
 
第2部 「ファンタジーの世界」
シューベルト : セレナーデ
シューマン : 幻想小曲集
シューベルト : ヴァイオリンとピアノのための幻想曲


Profile  キム・ダミ Kim Dami (violin)
キム・ダミは世界でキャリアを急速に伸ばしている注目のヴァイオ リニスト。
2011年、宗次エンジェル国際ヴァイオリンコンクールに優勝し たのを皮切りに、
2012年に難関のハノーヴァー国際ヴァイオリ ンコンクール優勝、パガニーニ国際コンクール第2位、エリザベー ト王妃国際コンクールファイナリスト、
2014年米国インディア ナポリス国際コンクール入賞およびベートーヴェンのソナタ賞など数々のコンクールで目覚しい成績を残してきた。欧米およびアジアで演奏活動をしており、
2015年にルチェルン 音楽祭でリサイタルデビュー。ハノーヴァー放送響、ミュンヘン室内管、ベルギー国立管、フィラ デルフィア管、東京フィル、日本センチュリー響、山形響、ソウル フィル等と共演。クレーメル、ミンツ、イッサーリス、ゴランとい った世界的アーティストとも共演を重ね、ラヴィニア音楽祭、イエ ローバーン音楽祭、アスペン音楽祭などにも登場した。
2013年 よりドイツのクロンベルグ・アカデミーで研鑽を積む。使用楽器はNPO法人イエローエンジェルから貸与されている17 31年製のストラディヴァリウス。
 


青木美樹  Miki Aoki (piano)
東京生まれ。9歳で渡英し12歳で、ナショナル・フィルハーモニ ー・オーケストラとの ロンドン・フェスティバルホール共演でデビュー。
ロンドンのパーセル・スクール卒業後、渡米。
インディアナ大学、イェール大学大学院卒業後、ハンブルク音楽大 学国家演奏家コースを首席で卒業。
イタリア・イブラ国際コンクール入賞、ドビュッシー特別賞など、 多数のコンクールに優勝または入賞。
12歳でロンドン・フェスティバルホールにデビュー。
その後も世 界各地でソロ、室内楽両面で活躍。近年ではベルリンフィルのコンサートマスター、ノア・ベンディッ クス=バルグリーとも共演。
2011年にはドイツの名門レコード会社ヘンスラーと専属契約。
以来3枚のCDをリリース今年10月には4枚目のアルバム「東京 物語」の発売が予定されている。
世界トップレベルの弦楽器奏者を多数輩出しているクロンベルク・ アカデミー、メニューイン・アカデミーなどでクレーメルやテツラ フ、ヴェンゲーロフなどの一流演奏家のマスタークラス伴奏者を務める。
オーストリア国立グラーツ音楽大学上席講師を経て、現在はニュー ヨーク在住。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校にてピアノ科の指導に 当たる。