第63章
長尾 春花 アレクサンドレ・ディムチェフスキ
ヴァイオリンDUOコンサート

2019.11.9(土)
長尾 春花 アレクサンドレ・ディムチェフスキ
ヴァイオリンDUOコンサート
◎第一部 13:30 開演
◎第二部 16:00 開演

銀座の街路樹も色づき、秋が深まりゆく11月9日、久しぶりの銀座18(でちょっと)クラシックは長尾春花さんとアレクサンドレ・ディムチェフスキさんのヴァイオリンDUOをお招きしました。なんて豪華な顔合わせなんでしょう!!
長尾春花さんは、銀座でちょっとクラシックは5年前からご出演してくださっていて、5周年記念ではクインテットの1stヴァイオリンをおつとめいただきました。
東京藝術大学を卒業し、博士課程修了。日本音楽コンクール、カンポキアーロ国際音楽コンクール、フレッシュ国際ヴァイオリンコンクール等数々の優勝・入賞、2018年NYカーネギーホールにて、F.ヴァッキのヴァイオリン協奏曲を演奏。2016年よりハンガリー国立歌劇場管弦楽団コンサートマスター。2019年よりリスト音楽院にて教鞭を執っておられます。
アレクサンドレ・ディムチェフスキ Alexandre DIMCEVSKIさんは、フランス生まれ。父親よりヴァイオリンを学び始め、ケルン音楽大学、同修士課程を卒業。ケルン国際室内楽コンクールにて弦楽四重奏で優勝。ソリスト、室内楽、コンサートマスター、教師として、世界各地で多彩に活動、2016年よりハンガリー国立歌劇場管弦楽団コンサートマスター、2018年よりホーエネムス・アルペジオーネ室内管弦楽団リーダー。
お二人はこれまでにハンガリーで、オーケストラとDUOで共演されています。
今回スケジュールが厳しい中、コンチェルティーナに起こしいただきました。
まず第一部13:30からはバルトーク:44の二重奏曲より
ハンガリー出身のベラ・バルトークはピアニスト、作曲家としてだけでなく、民俗音楽の研究者としても偉大な功績を残しました。1931年に完成したこの作品群は、ドイツ人音楽教育者であるエーリヒ・ドフラインから、ヴァイオリン初級者向けの作品を書いてほしいと依頼されたことがきっかけで生み出されたそうです。番号が増えるほど難しくなり、色々な音色が楽しめます。実は一番難しい44番を作曲し、依頼者に見せたところ、難し過ぎると言われ、作り直しているうちに44曲になったとのエピソードも。
イザイ:2つのヴァイオリンのためのソナタは春花さんの恩師の思い出の曲との事。
ヴィオラを加えて3重奏に編曲もされているくらい、たくさん音が重なり、難しい曲です。
カルテットかと思うほどの厚みのある音色を熱演して下さいました。
茶話会では、1本のヴァイオリンを二人で弾くというアクロバティックな楽譜が急遽届き、
2人が初見で弾いてくれました。
まさかのサプライズで会場は大いに盛り上がりました。
第2部は16時から バルトークの44の二重奏曲より抜粋で10曲。2部では解説が入り、より理解が深まりました。30番台を中心に最後は44番。
プロコフィエフの2つのヴァイオリンのためのソナタ、ハ長調Op56。ディムチェフスキさんは半分ロシアの血が入っており、この曲には深い理解と思い入れがあって、1stとしてリードし演奏に熱が入っていました。全4楽章からなり、緩 - 急 - 緩 - 急で構成され、第3楽章は美しく遠くを見るような哀愁のある曲想、最後は激しく盛り上がりを見せて終了しました。
春花さんにとって恩師2人との特別な想いのある11月9日に、コンチェルティーナで演奏していただけた事は、主催者にとりましても嬉しい出来事でした。
オペラではコンサートマスターとしてすれ違いで同じステージには立たない2人ですが、是非またヴァイオリンDUOで聴かせていただきたいと願いつつ。益々のご活躍が楽しみです。



プログラム
第一部演目
・バルトーク:44の二重奏曲より
・イザイ:2つのヴァイオリンのためのソナタ
第二部演目
・バルトーク:44の二重奏曲より
・プロコフィエフ:2つのヴァイオリンのためのソナタ

長尾 春花
東京藝術大学、同修士、博士課程修了、博士号取得。日本音楽コンクール、カンポキアーロ国際音楽コンクール、フレッシュ国際ヴァイオリンコンクール等にて第1位、ロン=ティボー国際音楽コンクール、仙台国際音楽コンクール、ペカット国際コンクール等にて入賞。 静岡県文化奨励賞、上尾市栄誉賞、松方ホール音楽賞受賞。2018年、NYカーネギーホールにて、F.ヴァッキのヴァイオリン協奏曲を演奏。2016年よりハンガリー国立歌劇場管弦楽団コンサートマスター。2019年よりリスト音楽院にて教鞭を執る。
アレクサンドレ・ディムチェフスキ Alexandre DIMCEVSKI
フランス生まれ。父親よりヴァイオリンを学び始め、ケルン音楽大学、同修士課程を卒業。ケルン国際室内楽コンクールにて弦楽四重奏で優勝。ソリスト、室内楽、コンサートマスター、教師として、ヨーロッパを中心に世界各地で多彩に活動している。2016年よりハンガリー国立歌劇場管弦楽団コンサートマスター、2018年よりホーエネムス・アルペジオーネ室内管弦楽団リーダー。