第66章
鈴木舞・實川風 DUOコンサート
2020.2.2(日) SOLD OUT

◎第一部 13:30 開演
◎第二部 16:00 開演
2020年2月2日日曜日。銀座18でちょっとクラシック第66章、鈴木舞さんと實川風さんの DUOコンサート。お二人は東京芸術大学付属高校からの同級生で、これまでの共演は数知れず。コンチェルティーナも最多出演です。グリーグのヴァイオリンソナタ演奏会シリーズとしては、最終3回目となりました。
まずは、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出」チャイコフスキーは西ヨーロッパへたびたびの旅行や長期滞在に出かけていました。10年にわたる西ヨーロッパ長期滞在の最初の年、チャイコフスキーは結婚の失敗や作曲活動の行き詰りもあり、スイスのレマン湖に静養のため滞在していました。ここで作曲されたのが有名な「ヴァイオリン協奏曲」ですが、その2楽章としてもともと作曲されたのが、「懐かしい土地の思い出」の第1曲となっている「瞑想曲」です。しかし2楽章としては長過ぎるということで、独立した曲となり、第2曲・スケルツォ、第3曲・メロディーという曲を合わせて、3曲からなる「懐かしい土地の思い出」というピアノ伴奏のヴァイオリン曲として仕上げられました。スイスで着想されたものですが、ロシアの地を懐かしんで、名付けたのかも しれません。チャイコフスキーらしい甘いメロディーにあふれたこの曲、スイスのローザンヌに留学されていた舞さん、湖の情景を想い起させるように、ロマンチックに奏でてくれました。
フィンランドの作曲家、エドヴァルト・グリーグは、3曲のバイオリンソナタを作曲していますが、この第3番が1番有名で、演奏される機会も多い曲です。
フィンランドの画家ムンクらと同時代に、独立のために尽力した芸術家の一人で、国民楽派とも言われます。北欧の旋律をモチーフとしながらも、まるでヴァイオリンコンチェルトのような長大な名曲です。
北欧の民族音楽を思わせる力強い第一楽章。続いて2楽章はロマンチックなピアノソロで始まり、中間部には当時流行っていた踊りの曲がリズミカルに入り、3楽章は雪の結晶がキラキラと舞うような美しいピアノの上で、妖精が現れるように旋律が繰り返され、華やかに幕を閉じました。
アンコールにチャイコフスキーのヴァイオリンソナタの2楽章をピアノ伴奏版で弾いていただき、耳の肥えた常連のファンには堪らない、大満足のコンサートでした。
◉鈴木舞さんの後援会発足しました!
鈴木舞後援会事務局 fanclub@maiviolin.com
電話080-1254/0176〔山田)
 
年会費10000円


鈴木 舞 (すずき まい) violin
東京芸術大学を経て、ローザンヌとザルツブルクで研鑽を積む。2013年ヴァツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール(クロアチア)、オルフェウス室内楽コンクール(スイス)第1位。
2016年スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール(ロシア)第2位等、内外のコンクールで優勝入賞を重ね、これまでにスイス、チェコ、フィンランド、クロアチアなどのオーケストラと共演をするほか、各地で室内楽やリサイタルに招かれている。将来を嘱望される新世代のヴァイオリニストとして、
2012年度シャネル・ピグマリオン・デイズ・アーティストに選ばれた。
2017年9月にデビューCD「Mai favorite」をリリース。
使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。ミュンヘン在住。
Web site: maiviolin.com

實川 風( じつかわ かおる) piano
2015年、パリで行われたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールにて、1位なしの第3位、最優秀リサイタル賞を受賞。翌2016年にはイタリア北部、カラーリオで行われたカラーリオ国際ピアノコンクール(カラーリオ・イタリア)にて第1位を受賞し、本格的に国内外での演奏活動を広げる。海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲の各氏に師事。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程にて、マルクス・シルマー氏に師事。