第57章
實川飛鳥
ピアノリサイタル

2019.3.3(日)
一部 13:30
二部 16:00
3月3日、ひな祭り。ちょっと冷たい雨の中、東京マラソンで銀座界隈も交通規制がある中、實川飛鳥さんのひな祭りコンサートが行われました。
實川飛鳥さんは、2012年、第2回ハノイ国際ピアノコンクール第1位。ならびに古典派作品・ロマン派作品・ドビュッシー作品の最優秀演奏者賞を受賞。 2016年、第11回国際モーツァルトコンクール(ローマ)第2位。第6回ピアノタレント国際コンクール(ミラノ)第2位。第4回イスキア国際ピアノコンクール第2位。マルタ・ディベリコンクール(グラーツ)第1位。と数々の国際コンクールで受賞され、ヨーロッパで活躍中のピアニストです。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、同大学を経て、現在同大学院音楽研究科修士課程、グラーツ国立音楽大学(オーストリア)修士課程に在籍。今回は短期帰国中、ひな祭りに演奏していただくことになりました。
お雛様みたいに可愛らしい飛鳥さん、薄紫のドレスで登場です。
まずは、ヘルツの チェネレントラの主題による華麗なる変奏曲。演奏される機会がほとんどない隠れた名曲です。ウィーンの市庁舎に併設された図書館で、隠れた名曲を演奏する演奏会があり、そこに参加した飛鳥さんが発見し、演奏されたそうです。トム&ジェリーみたいな、楽しい曲
アンリ・ヘルツはウィーン生まれのピアニストで超絶技巧で一世を風靡しました。当時人気のあったロッシーニのオペラ、チェネレントラ=シンデレラの主題に基づき、自分で演奏するために超絶技巧を駆使した華やかな曲となっています。
続いてシューマンのピアノソナタ。若いシューマンの情熱を感じる長大な曲です。飛鳥さんはこの曲を修士の学位試験で選ぶほど、思い入れのある一曲。重厚な中にもスペイン風リズムを織り込んだ第1楽章、美しいアリアの2楽章、スケルツォ、そして果てしない旅のような第4楽章。大曲を見事に演奏しました。
アンコールはショパンの黒鍵のエチュードで軽やかに。ひな祭りコンサート、アットホームな雰囲気の中でなごやかに終了しました。


シューマン : ピアノソナタ第1番 作品11
Schuman:Piano Sonata No. 1 in F-Sharp Minor, Op. 11
ヘルツ : ロッシーニの歌劇 <チェネレントラ>の主題による変奏曲
Herz:Variations on Non più mesta from Rossini's La Cenerentola


Profile
實川飛鳥
1991年生まれ。2010年、中国(北京・上海)にて「中日青少年交流演奏会」に出演。2011年、第15回日本モーツァルト音楽コンクールピアノ部門第1位。「藝大プロジェクト2011」にピアノソロで出演。2012年、第2回ハノイ国際ピアノコンクール(ベトナム)第1位。ならびに、古典派作品、ロマン派作品、ドビュッシー作品の最優秀演奏者賞を受賞。 2016年、第11回国際モーツァルトコンクール(ローマ)第2位。第6回ピアノタレント国際コンクール(ミラノ)第2位。第4回イスキア国際ピアノコンクール(イスキア)第2位。マルタ・ディベリコンクール(グラーツ)第1位。

これまでに日本各地の他、ポーランド、中国、ベトナム、韓国、イタリア、フランス、ポルトガル、オーストリアの各地で演奏。ピアノを山田千代子、多美智子、御木本澄子、ダン・タイ・ソン、江口玲、マルクス・シルマーの各氏に師事。フォルテピアノを小倉貴久子氏に、室内楽を青柳晋、市坪俊彦、シュテファン・シリングの各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学を経て、現在東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程、グラーツ国立音楽大学(オーストリア)修士課程に在籍。