山本 楓 共演 鐵 百合奈 Piano

第16章 オーボエで巡る世界の旅 

 
 秋晴れの澄んだ青空のもと、銀座18(でちょっと)クラシック第16章は、オーボエの山本楓さんをお迎えしました。「オーボエで巡る世界の旅」、一曲目はドニゼッティのソナタで華やかかつ軽やかに始まりました。

 ここで質問です。ドニゼッティは何処の国の作曲家でしょう?答えは「イタリア」。世界地図の上に、お客様に参加していただいて付箋でマークしていきます。オーボエは演奏者がリードを自分で葦を削って手作りするところが難しい、と語る山本楓さん。見えない所に苦労があるものです。
 続くラヴェルのハバネラ形式の小品は、スペイン人の母が口ずさんでいたメロディーに基づき作曲された異国情緒溢れる一品。ピアノソロの鐵百合奈さんにプロコフィエフの戦争ソナタという恐い選曲の理由をきいてみると?オーボエの曲でロシアの曲は殆ど無いとの事。88鍵の打楽器です、との説明に納得の音楽でした。
最後は秋にぴったりのシューマンの幻想小品集、作品73。オーボエ・ダモーレに持ち替えて、軟らかな温かみのある音に魅了されました。

 ラヴェルのボレロ主旋律をサラッと吹いていただくというサービスに拍手喝采!
アンコールの赤とんぼ(山田耕作曲、山本さんの兄、山本学さん編曲)で、世界の旅を終え、日本に帰りつきました。ホッと心和むひと時でした。
 


ドニゼッティオーボエとピアノのためのソナタ
Gaetano Donizetti Sonata for Oboe and Piano
 
ラヴェルハバネラ形式の小品
Maurice Ravel Piece en forme de habanera
 
セルゲイ・プロコフィエフ
Sergei Sergeevich Prokofiev
ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調「戦争ソナタ」
Sonata for piano No.7 in B flat major Op.83
第1楽章/Mov.1 Allegro inquieto piano solo
 
シューマン幻想小曲集作品73
Robert Schumann Fantasiestücke Op.73
 


山本楓(やまもとかえで)
1992年栃木県生まれ。13歳よりオーボエを始める。栃木県立宇都宮女子高校を経て、東京藝術大学を卒業。現在、同大学大学院音楽研究科修士課程1年次に在籍中。2010年第7回日本管弦打楽器ソロ・コンテスト高校生木管楽器部門グランプリ受賞。2013年第18回コンセール・マロニエ21木管部門第2位。大学在学中、選抜された学生による室内楽定期演奏会、モーニングコンサート、同声会新人演奏会等に出演。平成26年度公益財団法人青山財団奨学生。平成27年度公益社団法人日本演奏連盟宗次エンジェル基金奨学生。

 
鐵 百合奈(てつゆりな)piano
香川県高松市生まれ。東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学器楽科卒業。現在、同大学院音楽研究科ピアノ専攻修士課程1年在学中。2005年PTNA全国大会E級銀賞、2011年同G級銅賞、2014年特級セミファイナリスト。2010年大阪国際音楽コンクール第1位、兵庫県知事賞。日本クラシック音楽コンクール高校の部グランプリ。2013年、第14回ローゼンストック国際ピアノコンクール第1位。など、コンクール受賞多数。皇居内の桃華楽堂にて御前演奏会、日韓交流演奏会、読売新人演奏会など幅広い演奏活動で、注目の若手ピアニストである。