第70章
笹沼樹&實川風 DUOリサイタル

出演 :笹沼樹vc. 實川風pf.
場所  汐留ホール 13時30分開場14時開演
全席自由 4000円
全83席を70席に減らして開催します。
主催 コンチェルティーナGINZA http://konzertina.jp

ベートーヴェンチェロとピアノのためのソナタ3番
ラフマニノフ チェロとピアノのためのソナタ


大変だった2020年も残りわずかとなった、12月27日、銀座でちょっとクラシック第71章
笹沼樹& 實川風 DUOリサイタル、日仏文化会館汐留ホールを借りて、席数を減らしての開催となりました。
笹沼さんよりコンサートに寄せて
‥予想外の辛抱の年になった今年は、演奏会が中止や延期になることの悲しみに加えて、舞台というものがどれほど貴重であったか改めて感じさせられる時になりました。
今年3月に、實川さんをはじめとする仲間たちとの演奏会がありました。素晴らしいピアノの音色とダイナミックな音楽性に魅了されるだけでなく、僕自身も自然体でアンサンブルすることができたことが印象に残りました。その際にぜひソナタを一緒に弾いてみたいという思いが生まれ、コンチェルティーナGINZAさんのご尽力でこうして實川さんとのデュオが実現し、聴き手の皆様と会場で共有できることになりました。ベートーヴェンの傑作であるソナタ第3番と、ラフマニノフの壮大なチェロとピアノのためのソナタをどうぞごゆっくりお聴きください。
まずはベートーベンのチェロソナタ第3番。今年はベートーベン生誕250周年にあたり、多くのコンサートが企画されていましたが、ほとんど中止となってしまいました。チェロソナタ3番は作品69は第5番交響曲運命を作曲した頃の壮年期の傑作で、若々しさに溢れた作品。お2人がアンサンブルを楽しんでいるのが伝わってくる演奏でした。
休憩を挟んで
後半ラフマニノフのチェロとピアノの為のソナタ、ピアノコンチェルトと同じくらい難度が高く、チェロとピアノが対等なDUOの名曲。第3楽章は、これぞラフマニノフという甘美な旋律、第4楽章、華やかに壮大に幕を閉じます。
トークの後、アンコールはラフマニノフのヴォカリーズ。演奏者にとっても、また音楽業界すべて、観客にも忍耐の年となりましたが、1年の想いが報われた、やっぱり生の音楽の力は素晴らしい!と感じさせる演奏でした。感涙と拍手(そして観客手作りのブラボーカード)の中で、リサイタルは締めくくられました。
1日も早く事態が終息し、2021年が、安心して演奏を楽しめる良い年になりますように。


 笹沼 樹 vc.
 全日本学生音楽コンクール、東京音楽コンクール、日本音楽コンクールをはじめとする国内のコンクールで優勝、入賞後、2016年ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第3位入賞及び特別賞を受賞。2019年ニューヨークヤングコンサートアーティストオーディションでは日本人のカルテットとして東京クァルテット以来50年ぶりの第1位を受賞した。ソリストとして新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団をはじめとするオーケストラと共演。室内楽奏者としてはアルゲリッチ、ダン・タイ・ソン、ヴェンゲーロフ、ギトリスをはじめとした音楽家と国内外で共演を重ねる。2017年学習院大学文化活動賞受賞。同校でのリサイタルは天覧公演となり、毎年開催されている。桐朋学園ソリスト・ディプロマ・コース修了。学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科、桐朋学園大学音楽学部大学院卒業。堤剛氏に師事。2019年に日本コロムビアよりデビューアルバム『親愛の言葉』をリリース、レコード藝術特選盤に選出される。
使用楽器は1771年製C.F.Landorfi(宗次コレクション)。
 
實川 風 pf.
2015年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール(パリ・フランス)第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。2016年カラーリョ国際ピアノコンクール(カラーリョ・イタリア)にて第1位を受賞。本格的に国内外での演奏活動を広げる。
ベートーヴェンを核とした重厚なレパートリーに取り組む一方、邦人作品の初演でも作曲家より指名を受け携わる。 
海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲の各氏に師事。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程にて、マルクス・シルマー氏に師事。