第74章
笹沼樹&實川風 DUOリサイタル

出演 :笹沼樹vc. 實川風pf.
場所  汐留ホール 13時30分開場14時開演

主催 コンチェルティーナGINZA  http://konzertina.jp

プログラム
ドビュッシー: チェロとピアノのためのソナタ ニ短調

プーランク: チェロとピアノのためのソナタ
フランク: ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 (チェロ版)


緊急事態宣言下で開催が心配された、5月16日
銀座でちょっとクラシック第74章
笹沼樹& 實川風 DUOリサイタル、日仏文化会館汐留ホールにて、席数を半数に減らして何とか開催となりました。
お2人は昨年の年末に、ベートーベンとラフマニノフのソナタの共演で大好評を博し、他の曲も是非挑戦したいと意気投合、今回、フランス音楽のプログラムです。
前半は
ドビュッシー: チェロとピアノのためのソナタ ニ短調。5つの楽器のために作曲された曲の中の1つで 「プロローグ」ラン(ゆっくりと) 「セレナード」モデレマン・タニメ(程よく活き活きと) 「終曲」アニメ、レジェ・エ・ネルヴー(活き活きと、軽やかに敏感に)からなりたち、短いながらもチェロの幅広い演奏技巧が駆使され、チェロのヴィルトゥオーソのために作曲された作品です。ピアノとの相性も素晴らしい。
続いて
フランシス・プーランク: チェロとピアノのためのソナタ 。プーランクは、オーボエ・フルート・クラリネット・ソナタと、管楽器の名曲がありますが、唯一のチェロ・ソナタであるこの曲にもまた、プーランクの音楽の魅力であるフランスのエスプリ、小粋な雰囲気が十分に詰まった珠玉の名曲。
ここでもチェロの超絶技巧と華麗なピアノをたっぷりと披露して下さいました。
休憩を挟んで
セザール・フランク:のヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 、チェロ版。このソナタは、友人で同郷ベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイの結婚祝いとして作曲され、イザイに献呈された名曲です。
實川さんはヴァイオリンや、ヴィオラの田原綾子さんとも共演されていますが、チェロで演奏される機会は滅多にありません。
ヴァイオリンとはまた違った、深い音色とピアノとの掛け合いと調和を味わう事ができました。
アンコールはフォーレのエレジーでフランス音楽にどっぷりと浸る濃厚な時間を満喫しました。
生の音の魅力と迫力、音圧は何ものにも代えられないとあらためて実感した、幸せな時間でした。
 


 笹沼 樹 vc.
 全日本学生音楽コンクール、東京音楽コンクール、日本音楽コンクールをはじめとする国内のコンクールで優勝、入賞後、2016年ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門第3位入賞及び特別賞を受賞。2019年ニューヨークヤングコンサートアーティストオーディションでは日本人のカルテットとして東京クァルテット以来50年ぶりの第1位を受賞した。ソリストとして新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団をはじめとするオーケストラと共演。室内楽奏者としてはアルゲリッチ、ダン・タイ・ソン、ヴェンゲーロフ、ギトリスをはじめとした音楽家と国内外で共演を重ねる。2017年学習院大学文化活動賞受賞。同校でのリサイタルは天覧公演となり、毎年開催されている。桐朋学園ソリスト・ディプロマ・コース修了。学習院大学文学部ドイツ語圏文化学科、桐朋学園大学音楽学部大学院卒業。堤剛氏に師事。2019年に日本コロムビアよりデビューアルバム『親愛の言葉』をリリース、レコード藝術特選盤に選出される。
使用楽器は1771年製C.F.Landorfi(宗次コレクション)。
 
實川 風 pf.
2015年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール(パリ・フランス)第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。2016年カラーリョ国際ピアノコンクール(カラーリョ・イタリア)にて第1位を受賞。本格的に国内外での演奏活動を広げる。
ベートーヴェンを核とした重厚なレパートリーに取り組む一方、邦人作品の初演でも作曲家より指名を受け携わる。 
海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲の各氏に師事。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程にて、マルクス・シルマー氏に師事。