第78章
毛利文香   實川風
DUOリサイタル

日仏文化会館汐留ホール
全席自由
開演14:00 開場13:30
お申込み順での会場ご案内になります。
主催 コンチェルティーナGINZA  http://konzertina.jp
 
 
 
Program
プロコフィエフ ヴァイオリンソナタ 第1番 Op.80
プロコフィエフ ヴァイオリンソナタ 第2番 Op. 94bis 他
 
2022年 銀座18(でちょっと)クラシックの幕開けは、第78章
毛利文香さん、實川風さんのDUOリサイタル。
お2人は昨年末のクリスマスコンサートで、ピアノカルテットで共演されましたが、DUOでは初顔合わせ。
オール・プロコフィエフ という意欲的な、熱い(マニアックな)プログラムに臨みました。
どちらも緊張感の高い作品で、1番は特にあまり演奏される機会は少ない難曲です。
素晴らしい気迫のこもった演奏、かつシニカルでコミカル。2曲は全く違ったキャラクターながら、プロコフィエフの魅力が沢山詰まった曲でした。2人の名手の演奏に、観客は魅了されました。
アンコールもプロコフィエフで、3つのオレンジの恋から、マーチ。楽しい曲で幕を閉じました。
新年早々お集まりいただいた、熱いファンの皆様、ありがとうございました。
★お知らせ トリオ・リズル(毛利文香さん、田原綾子さん、笹沼樹さん)NHK-FM リサイタル・パッシオ出演。放送日は2月13日です♪
以下毛利さんのプログラムノート
〈プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.80〉
Ⅰ. Andante Ⅱ. Allegro brusco Ⅲ. Andante Ⅳ. Allegrissimo
セルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)は、このヴァイオリン・ソナタ第1番を1946年に完成させたが、すでに1938年頃から構想を始めていたため、先に完成していたヴァイオリン・ソナタ第2番よりもこちらの作品番号のほうが先になっている。1946年10月にダヴィッド・オイストラフとレフ・オボーリンによって初演された際、プロコフィエフは彼らに、このソナタの第1楽章の終わりは「墓場に吹く風」のように演奏するよう指示したという。作品の最後にもう一度姿を見せるこの冷たい旋律や第2、第4楽章の激しさは、当時のソヴィエトにおけるスターリン主義による創作活動への抑圧や戦争に対する強い反発を表しているのではないだろうか。
 
〈プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.94bis〉
Ⅰ. Moderato Ⅱ. Scherzo (Presto) Ⅲ. Andante Ⅳ. Allegro con brio
独ソ戦の混乱を避けるためモスクワを離れて疎開していたプロコフィエフは、1942年から1943年にかけて、フルート・ソナタを作曲した。その初演を聴いたオイストラフがプロコフィエフにヴァイオリン・ソナタへの改作をすすめ、このヴァイオリン・ソナタ第2番の誕生に至ったのである。オイストラフの助言を受けながら戦時下のモスクワで改作を行い、1944年に完成した。プロコフィエフはロシア革命のさなか祖国を離れる決心をしてアメリカに渡り、その後フランスでも活躍したが、望郷の念にかられて祖国復帰を果たすという過去の持ち主ということもあり、この作品のいたるところに祖国を想っているような雰囲気や祖国復帰を果たした彼の意思の強さを感じることができる。
 
毛利文香
2012年、第8回ソウル国際音楽コンクールにて、日本人として初めて、最年少で優勝。
2015年、第54回パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールにて第2位、エリザベート王妃国際音楽コンクール2015にて第6位入賞。
これまでに、川崎市アゼリア輝賞、横浜文化賞文化・芸術奨励賞、京都・青山音楽賞新人賞、ホテルオークラ音楽賞を受賞。
ソリストとして、神奈川フィル、東京フィル、東京シティフィル、東京響、群馬響、大阪響、韓国響、ベルギー国立管、ブリュッセルフィル、クレメラータ・バルティカなど、国内外のオーケストラと共演を重ねるほか、サー・アンドラーシュ・シフ、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、タベア・ツィンマーマン、堤剛、今井信子、伊藤恵などの著名なアーティストとの共演も数多い。
2016年3月には、紀尾井ホールにてデビュー・リサイタルを行った。
ヴァイオリンを田尻かをり、水野佐知香、原田幸一郎の各氏に師事。
桐朋学園大学音楽学部ソリストディプロマコース、及び洗足学園音楽大学アンサンブルアカデミー修了。
慶應義塾大学文学部卒業。現在、ドイツ・クロンベルクアカデミーに留学し、ミハエラ・マーティン氏に師事している。
 
 
實川 風
2015年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール(パリ・フランス)第3位、最優秀リサイタル賞、最優秀新曲演奏賞を受賞。2016年カラーリョ国際ピアノコンクール(カラーリョ・イタリア)にて第1位を受賞。本格的に国内外での演奏活動を広げる。
ベートーヴェンを核とした重厚なレパートリーに取り組む一方、邦人作品の初演でも作曲家より指名を受け携わる。 
海外の音楽祭への招待には、上海音楽祭、ソウル国際音楽祭、ノアン・ショパンナイト(フランス)・アルソノーレ(オーストリア)がある。
東京藝術大学附属高校・東京藝術大学を首席で卒業し、同大学大学院(修士課程)修了。
山田千代子・御木本澄子、多 美智子、江口玲の各氏に師事。グラーツ国立音楽大学ポストグラデュエイト課程にて、マルクス・シルマー氏に師事。