第80章
鈴木 舞 福原彰美
DUOリサイタル

会場:日仏文化会館汐留ホール
全席自由
開演14:00 開場13:30
お申込み順での会場ご案内になります。
主催 コンチェルティーナGINZA  http://konzertina.jp
 
北風が冷たい2月6日、銀座18(でちょっと)クラシック第80章、ヴァイオリンの鈴木舞さんとピアノの福原彰美さんDUOリサイタル。鈴木舞さんはコンチェルティーナ時代から何度もご出演の常連です。
名曲揃いのプログラムに、期待が高まります。
一曲目のヨアヒム・ラフはスイスの作曲家。11曲の交響曲をはじめとして、室内楽曲などに多くの作品を残していますが、初期の作品はピアノ曲が多く、あまり演奏される事は少ない作曲家です。ヴァイオリンとピアノのための 『6つの連作小品』作品85(全6曲:1.行進曲 2.パストラール 3.カヴァティーナ 4.スケルツィーノ 5.カンツォーネ 6.タランテラ)の中から3曲を演奏していただきました。現代では取り上げられていない曲を取り上げたいとお2人で相談して取り組んだとの事で、技術的にも難しい小品に、意気込みが感じられました。
続いてブラームスのソナタ第1番。「雨の歌」の通称は、第3楽章冒頭の主題が、ブラームス自身による歌曲「雨の歌 Regenlied」作品59-3の主題を用いているためです。ブラームスは恋心をいだいていたクララ・シューマンにこの曲の第2楽章の主題を送っています。クララはその後「あの世に持っていきたい曲です」と述べるほどの愛着を見せています。クララに寄せるブラームス思いが詰まった美しい旋律に心癒される演奏でした。
後半はベルギーのヴァイオリニストで作曲家でもあるイザイの子供の夢から始まりました。夢見るような軟らかい音色の美しい曲。
そして、同じくベルギーの作曲家フランクのヴァイオリンソナタ。
親友でヴァイオリニストのイザイの結婚を祝って作曲され、献呈されたとされています。ソナタはピアノとヴァイオリンの音楽的内容が対等であり、ピアノはヴァイオリンの伴奏ではなく、ヴァイオリンも単なる独奏楽器ではなく、ピアノとヴァイオリンの二重奏曲と呼ぶべき大曲です。
愛のストーリーを感じる全国4楽章。映画を見るように聴いて欲しいとのお2人の解説がありました。
物語を感じさせる演奏は圧巻でした。
アンコールはシューマン作曲、アウア編曲の献呈。シューマン自身がクララと結婚の際に作曲した、愛に溢れるアンコールで、リサイタルを終了しました。ヴァレンタインを先取りした、愛を感じる演奏に心が満たされたリサイタルでした。
 


プログラム
ブラームス: ヴァイオリン・ソナタNo.1 「雨の歌」
フランク:ヴァイオリン・ソナタ
ヨアヒム・ラフ: 6つの小品より、
「Marcia」「Cavatina」「Tarantella」   


鈴木舞
東京藝術大学を卒業。ローザンヌ、ザルツブルク、ミュンヘンで研鑽を積む。ヴァーツラフ・フムル国際ヴァイオリンコンクール第1位。スピヴァコフ国際ヴァイオリンコンクール第2位。ヨルマ・パヌラ指揮クオピオ響はじめホーフ響、モラヴィアフィル、ローザンヌ室内管、クロアチア放送響と、国内では読売日響、東響、日本フィル、日本センチュリー響等と共演。フランスや日本の作品によるデビュー録音ではCD「Mai favorite」(キング)が2021年「ルドン、ロートレック展」のオーディオガイドに採用されたほか、CD「アンリ・マルトー: 作品集第5集 - 24のカプリース Op.25」(ドイツ Solo Musica)に参加。日経ミュージックセレクションCDでは東響とベートーヴェン、マスネを収録した。使用楽器は1683年製のニコロ・アマティ。https://maiviolin.com

福原彰美
14歳で浜離宮朝日ホールにてデビューリサイタルを開催、そのライヴ録音が学研プラッツレーベルよりCD発売される。15歳で単身渡米、サンフランシスコ音楽大学とジュリアード音楽院で学ぶ。2017年、ソロアルバム『ブラームス:ピアノ小品集』(Acoustic Revive)がレコード芸術誌の準特選盤、オーディオアクセサリー誌の特選盤に選ばれる。秋山和慶指揮/東京交響楽団「名曲全集シリーズ」、サンフランシスコ交響楽団室内楽シリーズ等で好評を得る。これまでにクリスティーヌ・ワレフスカ(チェロ)、ナサニエル・ローゼン(チェロ)、ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)各氏と共演する。訳書に、ブラームスの演奏法についての音楽書『ブラームスを演奏する』(音楽之友社、共訳:天崎浩二・福原彰美)。http://www.akimifukuhara.com/jp/