第36章
田原綾子ヴィオラリサイタル

共演 原嶋 唯 piano
 
連日暑い日が続いていましたが、少し空が影り雨もぱらついた日曜日、銀座18(でちょっと)クラシック36章、田原綾子さんのヴィオラリサイタルが開催されました。「オールシューマンプログラム」。ピアノは高校時代から同窓の、原嶋唯(はらしま ゆい)さん。ヴィオラの深い音色はシューマンにとても良く似合います。以前からオールシューマンのプログラムを演奏してみたかったとの田原さん、ガーネット色に黒いレースの大人っぽいドレスで登場しました。
 
まずは、アダージョとアレグロ 作品70で、聴衆をシューマンの世界に誘います。
おとぎの絵本 作品113 第4曲の子守唄、感極まって涙するお客様も。深い音色が心を打ちます。
幻想小品集作品73は、もともとクラリネットの曲ですが、ヴィオラの音色にピッタリです。
緩急、色彩があった、原嶋さんとのDUO見事です。
 
パリ音大では、先生から音色を弾き分けるように、もっと感情をこめて、と指導されているそうですが、一番大切なのは音楽を愛する事だと先生の演奏を通して、教えていただいていて、そんな想いが感じられる演奏でした。
 
ヴァイオリンソナタ第1番 作品105を、調もそのままに、ヴィオラで弾かれました。すごい!
アンコールもシューマンで3つのロマンスの第2曲。
シューマンのロマンチックで不思議な世界と、ヴィオラの深い音色を存分に味わう事ができた、1時間でした。
2日後にはパリに戻られる田原さん、今後の活動から目が離せません。
 
アダージョとアレグロ 作品70
Adagio und Allegro op.70
おとぎの絵本 作品113
MärchenBilder op.113
ヴァイオリンソナタ第1番 作品105(ヴィオラ版) ほか
Violin Sonata No. 1 in A Minor, Op. 105 (for viola)
 
田原 綾子 (たはら あやこ)viola
神奈川県出身。第11回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞、第9回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽器部門第1位併せて全部門最優秀賞、ルーマニア国立ラジオ局賞を
受賞。韓国GMMFS、プロジェクトQ、ヴィオラスペース、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、ゆらぎの里ヴィオラマスタークラス、パブロ・カザルス音楽祭等で研鑽を積む。
JTが育てるアンサンブルシリーズ、宮崎国際音楽祭、武生国際音楽祭、題名のない音楽会、NHK-BSクラシック倶楽部、FMリサイタル・ノヴァ、CHANEL Pygmalion Days室内楽シリーズ出演の他、著名なアーティストと多数共演。
現代音楽作品の発表では、平義久没後10周年記念演奏会、三瀬和朗作品の夕べ、桐朋学園作曲家作品展などに出演。
読売日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団等と共演。2015、2016年度ロームミュージックファンデーション奨学生。これまでに藤原浜雄、鈴木康浩、井上淑子、橋本都恵、室内楽を原田幸一郎、毛利伯郎、三上桂子、藤井一興、山崎伸子の各氏より指導を受ける。桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を卒業後、現在パリ・エコールノルマル音楽院在学中、ブルーノ・パスキエ、岡田伸夫の各氏に師事。