第38章
長 哲也
ファゴットリサイタル
一部13:30pm
二部16:00pm
雨あがりの秋分の日、銀座でちょっと(18)クラシック第38章、ファゴットの長 哲也さんをお招きしました。
東京芸術大学音楽学部器楽科を卒業と同時に東京都交響楽団首席ファゴット奏者に就任。数々のコンクールで受賞され、現在東京都交響楽団首席ファゴット奏者として日本国内のみならず、海外でも著名な演奏家と共演。リサイタルやNHK-FMの「リサイタル・ノヴァ」に出演するなど、幅広く活躍されています。
昨年に続き2回目のソロリサイタルとなりました。
まずは、ドイツの作曲家ヒンデミットのファゴットソナタ。
なかなか聴く機会は少ないですが、緻密な和声でありながら、美しい曲です。
2曲目べデッカーは、300年程遡ったバロック時代のファゴット奏者かつ作曲家&指揮者で、当時イタリア中心だった音楽の世界で、外のヨーロッパにファゴットを広めた、記念すべき曲との事。修道院に入るモニカの歌を主題にした変奏曲ですが、主題はヴァイオリンが奏で、通奏低音とチェンバロが伴奏、この一人3役をピアノの高橋ドレミさんが演奏して下さいました。
1部の最後がカリヴォダのサロンのための小品。銀座のサロンに合わせて選んで下さったそうです。華やかで超絶技巧の曲でした。
2部では3曲目は、ウェーバーのアンダンテとハンガリー風ロンド。魔弾の射手などで有名な作曲家ですが、コミカルな旋律がロンド形式で何度も繰り返し出て来ます。これまた難曲を、サラッと聴かせて下さいました。
アンコールはサン=サーンスの白鳥、ファゴットの味わい深い音で、うっとりと楽しませていただきました。
終わった後の茶話会で、お客様から、楽器の構造やリードの厚み測定器の事など質問が相次ぎ、和気あいあいとしたひとときを過ごす事ができました。
オーケストラの活動がお忙しい中、サロンで間近に演奏を聴かせていただいて、本当に幸せで贅沢な時間でした。ありがとうございました♫
ヒンデミット:ファゴットソナタ
Hindemith:Fagotto sonat
ベデッカー:ファゴットと通奏低音のためのソナタ「ラ モニカ」
Boeddecker:Sonata sopra "La Monica"
カリヴォダ:ファゴットとピアノのためのサロン的小品
Kalliwoda:Morceau de salon
ウェーバー:アンダンテとハンガリー風ロンド
Weber:Andante e Rondo Ungarese
長 哲也 (ちょう てつや)
福岡県北九州市出身。11歳よりファゴットを始める。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。卒業と同時に東京都交響楽団首席ファゴット奏者に就任。第30回日本管打楽器コンクールファゴット部門第2位。同声会賞受賞。第48回北九州市民文化奨励賞受賞。ソリストとして芸大フィルハーモニアと共演。2015年6月、東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」に出演。NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」出演。
ファゴットを、永江恵子、石川晃、水谷上総の各氏に師事。また、ダーク・イェンセン、セルジオ・アッツォリーニ、ジルベール・オダン、マルク・トゥレネル等のマスタークラスにて研鑽を積む。
現在、東京都交響楽団首席ファゴット奏者。